2006/08/12  小笠原旅行  その1

小笠原諸島について
 小笠原諸島は東京の南南東約1,000kmの太平洋上にあり父島、母島から日本最南端の沖ノ鳥島、最東端の南鳥島まで約30の島々から成り立つ。 全域が東京都小笠原支庁小笠原村である。基本的に父島と母島以外は無人島である。 英語ではBonin Islandsとも呼ばれるが、これは江戸時代の無人島(ぶにんじま)という呼び名に由来する。
 小笠原諸島は歴史上ずっと大陸から隔絶していたため、島の生物は独自の進化を遂げ、東洋のガラパゴスとも呼ばれるほど、貴重な動植物が多い。 しかし、人間が持ち込んだ生物や島の開発などが原因でいくつかの固有種は絶滅の危機に瀕している。 (参考:Wikipedia)



6月中旬
 例年盆休みは出勤になることが多いため予定を入れられない。 しかし今年はどうにか休みが取れそうな予感がした。 ネットで海外旅行のチケットを探してみたがトップシーズンとあって航空運賃が閑散期の倍はくだらない。 これは家でのんびりとしろと言っているんだろうと受け止めた。 ベッドに横になっていたところ、ふと、クローゼットの扉に引っ掛けてある綿の手提げ袋が目に入った。 5月に竹芝桟橋で行われたイベント「島じまん2006」で配られたもので小笠原ブースでもらってきたものだった。 袋にOGASAWARAの文字がプリントされている。 あぁ小笠原か・・遠い遠い場所、いつの日か一生に一度行ければいいかな。 いや、待てよ・・盆休み、そう盆休みだ! 慌てて小笠原海運のホームページを開く。 盆シーズンのチケットは4月からネット予約開始で既に完売・・、だめか・・いや諦めんぞ。 大手旅行会社なら独自の枠を持っているはず・・と駅前のJTBへ急ぐ。 旅行会社のチケット売り出しは2ヶ月前からとのこと!明日がちょうど2ヶ月前か。 即予約を入れた、そして嬉しいことに早速夕方にチケット確保との連絡が入った。 勢いで母島3泊、父島3泊で宿もさっさと予約した。準備完了! ちなみにこの後、盆休みの出勤要請が来たが毅然とした態度で断った、いやぁすっきり(笑)


運命の手提げ袋・・かな?

パンフレットの写真に見とれる。


出航
 5月の御蔵島旅行(急なハプニングで涙の日帰り旅行だった)以来3ヶ月ぶりの竹芝桟橋。 いつも夜出発のため午前中に来たのは初めてである。 出航1時間前とあって既に乗り場は長蛇の列となっていた。 予約券を乗船券に引き換えたら列の最後尾に並んだ。 ありゃ?横に知った顔が・・。会社の同期が大学時代の友人と父島に行くため列に並んでいた。何という偶然だ。
 乗船のときに座席番号(正確には場所番号か?)を渡される。2等客室に入ってみて驚いた。 カーペットごろ寝にしては狭すぎる・・、寝返り打てないし足も伸ばせない。 これで25時間半も乗ってるのか。乗ったことある人が奴隷運搬船と言っていたのを思い出した。 午前10時出航、船は竹芝を離れレインボーブリッジの下を通過して東京湾を進む。 何度も船に乗っているためいつの間にか見慣れた風景になってしまった。
 出航30分も経たないうちから会社の同期、その友人を交えて甲板で酒盛りが始まる。 ひとたび船に乗ってしまうとここはもう治外法権である(笑) 2時間ぐらい飲んでいたと思う。眠くなってきたので客室に戻って昼寝をした。 好きなときに飲み好きなときに寝る、これでは人間がだめになってしまうな。15時まで寝た。


乗り場は長蛇の列。

旅が始まる瞬間である。

ここに25時間半、狭いなぁ。

朝っぱらから酒盛りが始まる。


船内見学ツアー
 おがさわら丸では知る人ぞ知る船内見学ツアーが行われる。 11時ごろ受付に行き15時からの回に申し込んだ。 ツアーでは2班に別れ操縦室と機関室の両方を見学できる。
 まずは操縦室から見学。 室内には操縦桿、レーダー、GPS、船の状態を示すステータスモニタなど一列に並んでいる。 自動操縦であるが定期的に人間が現在位置を確認して紙の海図に鉛筆で線を入れてゆく。 さらにブリッジ前方では技師が双眼鏡を手にして前方を確認していた。 いくら技術が発達したとはいえ人手に頼るところも多い。 神棚まで備え付けられており、船長が船が揺れないように願っときましょうと言っていた。 そういえば壁に貼り付けられた天気図には鳥島近海に低気圧がはっきりと書かれていた。 東京湾を出て波が高くなってきたぞ。なんだか悪い予感がするな・・。 遠くに御蔵島が見える。
 次は機関室。こちらもエンジンの出力を示すモニタや船内電源の制御盤など所狭しと並べられている。 機関士から一通り説明を受けたらエンジン室に入れてもらった。 轟音、しかも室温57度・・あぢ〜。 いかにも機関室って感じで、映画でありがちなテロリストと船員が銃撃戦を行いそうな場所である。 直径45cmの大型ピストンが対で一列に並べられておりその下ではシャフトが勢いよく回っていた。 最高出力13500馬力のエンジンが二基ついている。 これだけ大きい船体を22ノット(時速40km程度)で動かすことが出来るのだからすごい馬力である。 40分くらいでツアー終了。かなり時間をつぶしたつもりが到着までまだ20時間くらいあるな・・。


ずらっと並んだ計器類。

GPS、海図、神棚など。

こういうのメカ好きにはたまらないな。

轟音と熱気でものすごい迫力である。


さっさと就寝
 船室に戻ると船内ビデオ放映で「亡国のイージス」を上映していた。 真田広幸が走り回っているが途中から見たのでストーリーがわからないな・・と思っているうちに眠りに落ちた。 次に目が覚めたのは夕方8時過ぎ、小腹が減ったが船の揺れもかなり激しくなっている、どうしよう。 迷った末、何か胃に詰めないといけないと思い9時ごろ船内レストランへ行った。 普通に社員食堂のような感じであった。 メニューは多少高めだが船の中だからこんなものだろう。 ちょっとだけ食べるつもりがガッツリとハンバーグ定食を食べた。 さらに船のゆれが大きくなっている。 売店の営業がもうじき終わりますとの船内放送でふと思い出した。 そうだ、酔い止め買っておかとかないと。 客室は10時消灯、酔い止め1錠を飲んだらさっさと眠った。


セルフサービスで社員食堂みたい。

船の揺れも気にせずガッツリ食べた。