2006/08/16  小笠原旅行  5日目

就航?欠航?
 本日は母島滞在最終日、少なくてもスケジュール上では。 問題は今日のははじま丸が就航するかどうかである。 船が出るかもしれない、出ないだろう、いろいろな話しが行き交う。 父島はおがさわら丸の入港日であるため接続するははじま丸は2往復あるが既に朝の便の欠航が決まっている。 果たして夕方の便は? ただし午前便が欠航の時点でおがさわら丸への連絡は不可能となる。 一泊でしぶしぶ帰ってしまったYさんの判断は正しかったと言える。 ひとまず荷物は全てまとめていつでも部屋から運び出せるようにしているのだが、 予定がはっきりしないため全員が身動き取れないでいた。 どちらにせよ夕方までは時間があるし何もせずに待っていているのも時間がもったいないから最後にもう一度北港に行くことになった。

プチ島内観光
 宿の主人である田澤さんが運転する乗り合いタクシーで港に向かう。 今回特別にプチ島内観光を付けてくれた。 北港への道のり、要所要所で車を止めて解説が入る。 固有種、外来種の植物、島の歴史など様々。 地元観光ガイドの田澤さんさすがに詳しいな・・と思ったが彼は青森出身である。 ちなみに出産で里帰りしている奥さんは北海道出身だそうだ。 北国から南の土地に憧れて移り住んできたのかな。
 途中、戦時中の遺構となっている探照灯基地跡を見学した。 島のいたる所に戦争の爪痕が残っている。 母島では戦闘は無かったものの60年前の痛々しい過去がそのまま放置されていた。 終点の北港近辺にも集落跡が残っている。 今は無人のこの集落にも明治時代には捕鯨が盛んな漁港を抱える地区として多くの人が住んでいた。 民家も病院も学校もあった。 学校跡は門だけが辛うじて残っているが今や土地ごとガジュマロの木に飲み込まれ自然に還ろうとしている。 1時間程度掛けて車はようやく北港に到着した。


乗り合いタクシーで北港へ向かう。

不気味なコンクリートの壕が口をあけている。

照明器は60年間放置され朽ち果てていた。

島観光の説明を聞く。


青い海へ、再び
 小笠原へ行ったら毎日海三昧の日々のはずであったが台風の影響もあり、考えてみればまだ1回しか海に入っていない。 一応、出るかもしれない船に間に合うように車が迎えに来てくれるため今日も時間がたっぷりある。 今日は地元の人で北港が賑わっていた。 と言っても我々の他に2家族10人程度である。 誰もいない海岸も良いが、夏の海なのだから適度に賑わっているほうが盛り上がって楽しい。 今この瞬間の湘南の海とはかけ離れた贅沢な場所である。
 最初のエントリーで少し沖まで出たら海面下5mほどの海底をウミガメが悠然と泳いでいるのを見つけた。 カメって貫禄あるな〜。 自分も潜ってカメの後を追ってみたが息が続かなくなり浮上。 カメはこちらを気にもせず沖のほうにゆっくりと泳ぎ去ってしまった。 今日は昼食をはさんで合計4回エントリーした。 泳いでいると自分がサンゴ礁の草原の空を飛んでいる気分になれる。 多くの人が海に魅せられる理由が良くわかる。 泳いでいるとたまに「??」という感じの得体の知れない生物と出会うことがある。 さすが海は広いなぁと思ってしまう。 魚の名前がわかればさらに楽しみが増えるのだが。
 昼過ぎに到着した家族と話していたところ夕方の船が欠航になったことが判明した。 さすがに集落から10km離れたここまで防災放送は届かない。 一昨日、何だかんだ船は出るだろうとタカをくくっていたため多少驚いた。 まぁいろいろ旅をしているとたまにこういうこともはある。 3年前にギリシアで船が出ずに急遽予定変更したことを思い出した。 あの時は確か目を瞑ってガイドブックに手を突っ込んだページを次の行き先に決めたんだったな・・(笑) こういう風任せな旅が楽しい。 昼3時に北港を後にする。


賑わっていると言ってもこの程度。

悠々と泳ぐウミガメ。

なんて名前の魚だろう?

いつまで潜っていても飽きない。

近所の犬も遊びに来てた。

船は出ずとも多少天気が回復した。


母島土産
 宿に帰ったらまず父島の宿に連絡を入れ今日の宿泊をキャンセルした。 その代わり母島で延泊となる。 人の出入りが一切無いため満室であっても延泊したところで新しい客が来ることもない。 まとめた荷物を解きシャワーを浴びたら一休み。 夕涼みに商店まで土産を買いに行く。 小笠原には焼酎が無く特産品としてラム酒が有名である。 ラム酒とパッションフルーツ酒を1本ずつ買った。 ちなみに台風で一週間船が出ていないため魚介類は全く手に入らなかった。 ところで商店の隣にある駐在所、通りがかるたびに気になっていたのだが棚一杯にビデオが並べられている。 聞いたところによると島にレンタルビデオ屋が無いため数少ない娯楽を提供する場として駐在所がレンタル屋も兼ねているそうだ。 母島は平和なため仕事が無く警官はこれを見て時間をつぶしているのではと思っていたのだが(笑)
 夕食を食べたら自分のベッドで一眠り。 その後、いつもの酒盛りは行われたが自分はほどほどに切り上げた。 本当は今頃父島にいるはずなのだが・・と思っているうちに眠りに落ちた。


島へ来たら必ず寄ることになる前田商店。

駐在所にぎっりと並んだビデオ。